あいのんのオタク女子日和

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『拝み屋郷内 花嫁の家』書評・ブックレビュー※ネタバレあり

こんにちは!あいのんです。

 

今回は『拝み屋郷内 花嫁の家』という作品の読書感想文を書こうと思います。

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「拝み屋シリーズ」は、作者の郷内心瞳(ごうないしんどう)さんが実際に拝み屋をしていて体験した実話を元にしたお話です。

 

もともと、ホラー小説が好きでよく読んでおりましたが、この拝み屋シリーズは他とは一線を画しています。

 

怖いかどうかで言えば、かなり怖いと思います。

 

しかし、怖い以上に先が知りたくてどんどんお話に引き込まれました。

 

ありありと想像できる描写や心境、郷内先生の卓越した文章力にも舌を巻きます。

 

特に、こちらの花嫁の家は郷内先生が公演会で何度話そうとしても邪魔が入ったり、また文章にしたためてもパソコンがフリーズしたり電源が落ちたりと何度も邪魔が入り、完成までに大変苦労され曰く付きの作品だそうです。

 

この前置きだけでも、私は好奇心がかなり高まりました(o^^o)

 

そして今まで沢山読んだホラー作品の中で、3本の指に入るほど好きな作です。

 

 

第1章「母様の家、あるいは罪作りの家」(※ここからネタバレを含みます)

第1章、第2章に分かれており、それぞれ怪異による影響に苦しめられた女性が郷内先生に救けを求めるお話です。

 

第1章「母様の家、あるいは罪作りの家」では、ある女性が死んだ母親に殺されそうだと郷内先生に救けを求めるお話が中心になっています。

 

怪異が大きく関わっているのですが、印象に残ったのは母娘の悲しい愛情のすれ違いでした。

 

人の力ではもはやどうしようもできない怪異に振り回され、また鬼畜のごとき人の醜さや汚さにも振り回され続けた女性たち。

 

それでも、けなげに愛されようとする女性の姿に涙が出てくる場面もありました。

 

郷内先生や、先生の先輩が命を賭けて怪異に立ち向かう描写は人間らしくもあり、また人間離れもしていました。

 

本当に恐ろしいのは人間である。人間の欲である

 

郷内先生の、依頼に向き合う葛藤もありありと伝わってきました。

 

本能では「逃げろ」と身体がすくんでも先輩から命の危険があると止められても、立ち向かいます。

 

第2章「花嫁の家、あるいは生き人形の家」

第2章では、嫁が次々に死んでしまう家に新しく嫁いだ若い女性を救けて欲しいと依頼されるお話です。

 

こちらでも、怪異や人間に振り回された女性が郷内先生を頼ってきますが、第1章とはまた違う不気味さがありました。

 

男達が祀る禍々しい物をどうにかしなければ、女性は助からない

 

それでも、自分たちの宗教を信じる男たちは郷内先生の話を聞き入れようとしませんでした。

 

怪異が目に見える形で女性を襲ったことでようやく、怪異に手をつけることを選ぶのです。

 

事実として起こったことに目を向けず、頑なに禍々しいものを祀る姿がありありと想像出来て不気味でした

 

私は人形が出てくる怪談が大好きなのですが、こちらはよくある人形の話と違って、これはこれでいい意味で予想を裏切られたなぁという思いでした。

 

関係ないと思っていた話が実は全部繋がっていた。読んでいてハッとなる事が何度もありました。

残念なところ 

怖いのが苦手な人には、怖すぎるかもしれません。

 

また、少し関係性がややこしかったので分かりやすい図などがあれば良かったかなと思います。

 

最後に

正直、後味のいい話ではありませんでしたが、これも郷内先生が体験したお話であるが故かと思います。

 

創作と違って、よく分からないままの謎が残ったり解決したのか分からないこともあります。

 

私は郷内先生の作品のリアリティは、そこにあると思います。

 

取ってつけたようなご都合主義が無い所が、拝み屋シリーズの魅力だと思います。

 

2018年12月現在、文庫本は絶版になってしまっているようで中古でも高値が付いてしまっています。(約3000円~)

 

電子書籍の配信もあるので、そちらをオススメします。

 

余談ですがAmazonのレビューに「手元に置いておいて大丈夫か不安になる」という意見があり、かえってホラー作品らしい趣きを感じました。

 

続編のブックレビューはこちら

www.ainonotaku.work

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それでは、ごきげんよう(o^^o)

 


拝み屋郷内 花嫁の家 (MF文庫ダ・ヴィンチ)